はじめの挨拶を申し上げます。うんたらかんたら。南無阿弥陀仏、万妙法蓮華経、天上天下唯我独尊。
煙草
夜道を歩いていた。都心から少し離れた住宅街、女が一人で出歩くにはかなり遅い時間。街灯は少ないが、治安の悪くない時間だから、彼女はさほど気にしてはいなかった。腕をさする。不意に上を見上げて、視界の端まで広がる黒にハーっと息を吐いたが、白くなるにはギリギリ気温が高かったようだ。
風が吹いた。木が揺れて、その葉がこすれる音が耳に入る。コンクリートとスニーカーのこすれる音。肌に触れる空気。湿りっけのない、からっとした夜。しかし少し、目の奥がジメッとしているような気がした。不意に少し明るく照らされて、エンジン音だけが鼓膜を揺らす。背後から来た車に、道の端へと身を寄せる。通り過ぎたそれの赤いバックライトを数秒見つめて、また歩き出した。
目的地はコンビニだった。気のない店員の声に迎えられる。部屋着にしては少し固く、外着にしては少しだらしない格好の彼女は、ドリンクコーナーへ。よくわからない炭酸飲料を一本。カウンターへ出して、そのままチラと左を向く。
「からあげクン1つ」
「は~いかしこまりました
袋に詰められるのを見ていた。何も考えなかった。
「317円になります」
「あ……すいません、18番ひとつ。それから、ライター」
「え、あ、はい。わかりました」
整然と並んだ棚から、1つの小箱を取り出した。
「じゃあ……828円ですね」
千円札で払った。
帰り道。
「あー、なんでだろ」
誰かに聞かせるように、彼女はそう、割とはっきり言った。左腕に下げた袋からそれを取り出して、透明のフィルムを剥がした。いつもいつも、少しきつめに包装してあるために手間取るのが鬱陶しかった。
メディア

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仏教
ガウタマ=シッダールタ
キリスト教
イエス=キリスト